車での遠出が増える、本格的な夏。しかし、楽しいドライブを一瞬で危険な状況に変えてしまう「タイヤのバースト(破裂)」が夏場に急増することをご存知でしょうか。
JAF(日本自動車連盟)のデータによると、タイヤのトラブルによるロードサービス出動件数は、8月にピークを迎えます。
大切な命を守るため、出発前に必ずタイヤのセルフチェックを行いましょう。
夏にタイヤのトラブルが増える主な原因は「熱」と「空気圧」にあります。
真夏の炎天下では路面温度が60度を超えることもあり、走行中の摩擦熱とこの高い路面温度から熱を受け続けます。
その結果、タイヤ内部の温度が上昇しゴムが劣化しやすくなり、タイヤのひび割れを引き起こしたり、タイヤの柔軟性が失われます。
劣化したタイヤは内部からの圧力や外部からの衝撃に耐えきれず、バーストしてしまう可能性があります。
バーストする原因に「空気圧不足」も挙げられます。
空気圧が低いタイヤで高速道路などを走行すると、タイヤが波状に変形する「スタンディングウェーブ現象」が発生します。
この現象が起きると、タイヤは異常な発熱を起こし、内部の構造が破壊され、最終的にバーストに至るのです。空気は自然に抜けていくため、日頃の点検が非常に重要です。
重大な事故につながりかねないタイヤバーストですが、その多くは日頃の簡単な点検で防ぐことができます。
お出かけ前に、以下の3つのポイントを確認しましょう。
チェック1:タイヤの空気圧は適正ですか?
適正な空気圧は、運転席のドアを開けた側面や給油口のフタなどに貼られているシールで確認できます。
愛知日産の店舗で無料チェックをしております。お気軽にお申し付けください。
チェック2:タイヤの溝は十分にありますか?
タイヤの溝の深さが1.6mmになると現れる「スリップサイン」を確認しましょう。
スリップサインは、タイヤ側面の△マークの延長線上にあります。
チェック3:タイヤに傷やひび割れはありませんか?
タイヤの接地面や側面全体を目で見て、釘などが刺さっていないか、ひび割れやコブのような膨らみがないかを確認してください。
特に側面(サイドウォール)の傷はバーストに直結しやすいため、注意深く点検しましょう。
万が一、走行中に「バン!」という大きな音と共にタイヤがバーストしてしまったら、パニックにならず冷静に対処することが最も重要です。
・ハンドルをしっかり握る
車が急に不安定になります。絶対に急ハンドルを切らず、両手でしっかりとハンドルを保持してください。
・急ブレーキは厳禁
慌てて急ブレーキを踏むと、車がスピンしてコントロールを完全に失う可能性があります。アクセルから足を離し、エンジンブレーキでゆっくりと減速してください。
・安全な場所へ移動
ハザードランプを点灯させて後続車に異常を知らせながら、ゆっくりと路肩などの安全な場所に車を寄せます。
・避難と連絡
車を停止させたら、後続車からの追突を避けるため、同乗者と共にガードレールの外側など安全な場所に避難し、ロードサービスや警察に連絡しましょう。
楽しい夏を安全に過ごすために、日頃からのタイヤへの関心が不可欠です。「自分は大丈夫」と思わず、お出かけ前には必ずタイヤのチェックを実践し、安心で快適なドライブを楽しみましょう。
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